「QC7つ道具、名前は知っているけど使い分けがわからない」
品質管理の基本として知られるQC7つ道具。しかし、どの場面でどの道具を使うべきか、迷うことも多い。
この記事では、QC7つ道具の特徴と使い分けを解説する。具体的な活用場面と、組み合わせて使う方法を紹介する。
QC7つ道具とは
QC7つ道具とは、製造工程や品質などの数値データを整理・分析する手法の総称だ。JIS Q 9024:2003(継続的改善の手順及び技法の指針)でも規定されている、品質管理の標準的なツールセットである。
7つの道具一覧
| No. | 道具名 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 1 | パレート図 | 重要な問題を特定する |
| 2 | 特性要因図 | 原因を洗い出す |
| 3 | グラフ | データを可視化する |
| 4 | ヒストグラム | データの分布を把握する |
| 5 | 散布図 | 2つの変数の関係を調べる |
| 6 | 管理図 | 工程の安定性を監視する |
| 7 | チェックシート | データを収集する |
QC7つ道具の目的
QC7つ道具は、以下のプロセスで活用される。
- 現状把握:問題を発見する
- 原因分析:なぜ起きたかを調べる
- 対策立案:解決策を考える
- 効果検証:対策の効果を確認する
- 定着化:改善を維持する
各道具の特徴と使い方
7つの道具それぞれの特徴と、具体的な使い方を解説する。
1. パレート図
目的:全体の中で大きな影響を与えている項目を特定する。
特徴:
- 項目別に分けたデータを大きい順に並べた棒グラフ
- 累積比率を折れ線グラフで表示
- 「80:20の法則」(上位2割の項目が全体の約8割を占める)を活用
使う場面:
- 不良の種類別発生件数を分析するとき
- クレームの内容を分類するとき
- 改善テーマの優先順位を決めるとき
ポイント:上位の項目から重点的に対策することで、効率的に改善できる。
2. 特性要因図
目的:問題の原因を系統的に洗い出し、真因を追究する。
特徴:
- 魚の骨のような形状から「フィッシュボーンチャート」とも呼ばれる(石川馨氏が1956年に考案)
- 4M(Man, Machine, Material, Method)で原因を分類
- 原因と結果のつながりを可視化
使う場面:
- 不良の原因を調査するとき
- 問題の真因を究明するとき
- チームで原因を議論するとき
ポイント:仮説として挙げた原因は、散布図などで実際にデータを検証することが重要。
3. グラフ
目的:データを視覚的にわかりやすく表現する。
種類:
- 棒グラフ:項目間の比較
- 折れ線グラフ:時系列の変化
- 円グラフ:構成比率
- 帯グラフ:構成比率の比較
使う場面:
- 生産実績の推移を確認するとき
- 部門間の比較をするとき
- 報告資料を作成するとき
ポイント:目的に応じて適切なグラフの種類を選ぶ。
4. ヒストグラム
目的:データの分布(ばらつき)を把握する。
特徴:
- データを区間ごとに分けて棒グラフで表示
- 分布の形状(正規分布、偏り、二山など)がわかる
- 規格との関係を確認できる
使う場面:
- 製品の寸法ばらつきを確認するとき
- 工程能力を評価するとき
- 規格外れの発生状況を把握するとき
ポイント:分布の形状から、工程の問題を推測できる。
5. 散布図
目的:2つの変数の間に関係があるかを調べる。
特徴:
- 横軸と縦軸にそれぞれ変数をとる
- 点の分布パターンで相関関係を判断
- 正の相関、負の相関、無相関を識別
使う場面:
- 温度と不良率の関係を調べるとき
- 作業時間と品質の関係を調べるとき
- 因果関係の仮説を検証するとき
ポイント:相関があっても、因果関係があるとは限らない。別途、工程の知識と合わせて判断することが必要だ。
6. 管理図
目的:工程が安定しているかを継続的に監視する。
特徴:
- 中心線(CL)と管理限界線(UCL, LCL)を設定
- データが管理限界内に収まっているかを確認
- 異常の早期発見が可能
使う場面:
- 工程の安定性を監視するとき
- 異常の兆候を検知するとき
- 改善前後の比較をするとき
ポイント:管理限界を超えたら、原因を調査して対策する。
7. チェックシート
目的:データを効率的に収集・記録する。
種類:
- 記録用チェックシート:データの集計
- 点検用チェックシート:項目の確認
使う場面:
- 不良の発生状況を記録するとき
- 設備点検を行うとき
- 作業手順の確認をするとき
ポイント:他のツールで分析するための基礎データを収集する。チェックシートの設計段階で、収集する項目と目的を明確にしておくことが重要。
QC7つ道具の使い分け
問題解決のステップに応じて、適切な道具を選択する。
ステップ別の使い分け
| ステップ | 目的 | 使う道具 |
|---|---|---|
| 現状把握 | 問題を特定する | チェックシート、パレート図、グラフ |
| 原因分析 | 原因を洗い出す | 特性要因図、散布図、ヒストグラム |
| 対策立案 | 解決策を考える | 特性要因図、パレート図 |
| 効果検証 | 対策の効果を確認する | グラフ、パレート図、管理図 |
| 維持管理 | 改善を定着させる | 管理図、チェックシート |
組み合わせて使う
QC7つ道具は、単独で使うより組み合わせて使うと効果的だ。
典型的な組み合わせ例:
チェックシート → パレート図
- チェックシートでデータを収集
- パレート図で重要な問題を特定
パレート図 → 特性要因図
- パレート図で重点項目を決定
- 特性要因図で原因を深掘り
特性要因図 → 散布図
- 特性要因図で仮説を立てる
- 散布図で因果関係を検証
ヒストグラム → 管理図
- ヒストグラムで分布を確認
- 管理図で継続的に監視
実践事例:不良削減への活用
QC7つ道具を活用した不良削減の事例を紹介する。
事例:基板の部品実装不良
ステップ1:現状把握
チェックシートで不良の内容別発生件数を記録。パレート図で整理した結果、「部品実装不良」が全体の約60%を占めていることが判明。
ステップ2:原因分析
部品実装不良に焦点を絞り、特性要因図を作成。「人」「機械」「材料」「方法」の4つの視点から原因を洗い出した。
ステップ3:仮説検証
特性要因図で挙がった「はんだ温度」と「不良率」の関係を散布図で検証。負の相関(温度が低いと不良が増える)を確認。
ステップ4:対策実施
はんだ温度の管理基準を見直し、下限値を引き上げ。管理図で温度を継続監視する体制を構築。
ステップ5:効果確認
対策前後のパレート図を比較。部品実装不良が60%から15%に減少したことを確認。
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まとめ
QC7つ道具は、品質改善の基本ツールだ。
7つの道具:
- パレート図:重要な問題を特定
- 特性要因図:原因を洗い出す
- グラフ:データを可視化
- ヒストグラム:分布を把握
- 散布図:関係性を調べる
- 管理図:工程を監視
- チェックシート:データを収集
ステップ別の使い分け:
- 現状把握:チェックシート、パレート図
- 原因分析:特性要因図、散布図
- 効果検証:グラフ、管理図
活用のポイント:
- 単独で使うより組み合わせて使う
- パレート図で重点を絞り、特性要因図で深掘りする
- データに基づいた客観的な分析を行う
QC7つ道具を使いこなして、効率的な品質改善を実現しよう。
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