現場コンパス

4M分析とは|労働災害の原因を見つける4つの視点

4M分析(Man・Machine・Media・Management)で労働災害の原因を体系的に分析する方法を解説。再発防止に役立つ実践的な手順と事例を紹介。

著者: 安全ポスト+編集部

4M分析とは|労働災害の原因を見つける4つの視点

「なぜこの事故は起きたのか?」

現場で労働災害が発生したとき、原因を特定するのは簡単じゃない。「作業者のミス」で片付けてしまうと、同じ事故が繰り返される。本当の原因は、もっと深いところにあるかもしれない。

そこで使われるのが4M分析だ。

4M分析を使えば、事故の原因を「人・機械・作業方法・管理」の4つの視点から体系的に分析できる。この記事では、4M分析の基本から実際の活用方法まで、現場ですぐに使える知識を解説する。

4M分析とは何か

4M分析とは、労働災害や品質問題の原因を**4つの要素(4M)**に分類して分析する手法だ。

4Mとは、以下の4つを指す:

  • Man(人) - 作業者の行動や判断
  • Machine(機械) - 設備や工具の状態
  • Media(作業方法・環境) - 作業手順や周辺環境
  • Management(管理) - 管理体制や教育

労働災害の原因分析では、この4つの要素を使って事故の本質的な原因を探る。

ちなみに、製造業の品質管理では4Mが「Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)」を指すこともある。今回は安全管理における4M、つまり労働災害分析のフレームワークとして解説する。

Man(人)- 判断ミスや不安全行動

「Man(人)」の要素では、作業者の行動や判断ミスを分析する。

具体的には:

  • 手順の省略や逸脱
  • 安全確認の不足
  • 疲労や体調不良による注意力低下
  • 経験不足による判断ミス

重要なのは、「人のミス」で終わらせないこと。なぜそのミスが起きたのか、背景にある要因まで掘り下げる必要がある。

Machine(機械)- 設備の不備や故障

「Machine(機械)」では、設備や工具の状態を確認する。

チェックポイント:

  • 安全装置の故障や欠陥
  • 設備の老朽化
  • 工具の不適切な使用
  • 点検・メンテナンス不足

機械的な要因は、日常点検や定期メンテナンスで防げるケースが多い。

Media(作業方法・環境)- 手順や環境の問題

「Media(作業方法・環境)」は、作業手順や周辺環境に関する要素だ。

主な項目:

  • 作業手順の不備や曖昧さ
  • 照明不足や騒音などの環境問題
  • 作業スペースの狭さ
  • 保護具の不足や不適切さ

作業環境は、気づかないうちに事故リスクを高めている場合がある。

Management(管理)- 管理体制の不備

「Management(管理)」では、組織の管理体制や教育を見直す。

確認項目:

  • 安全教育の実施状況
  • リスクアセスメントの有無
  • 作業指示の明確さ
  • 人員配置の適切さ

厚生労働省の指針でも、事業者は建物・設備・原材料などの危険性や有害性を調査することが求められている。

4M分析が必要な理由

なぜ4M分析が重要なのか。それは、再発防止のためだ。

事故が起きたとき、「作業者が悪い」で片付けるのは簡単。でもそれでは、同じ事故が繰り返される。

4M分析を使えば:

  1. 原因の見落としを防げる - 4つの視点から漏れなくチェックできる
  2. 本質的な原因に辿り着ける - 表面的な原因だけでなく、背景要因まで掘り下げられる
  3. 具体的な対策が立てられる - 各要素に対して実効性のある改善策を検討できる

特に重要なのが、「Management(管理)」の視点だ。作業者のミスの裏には、管理体制の不備が隠れていることが多い。

例えば:

  • 安全教育が不十分だった
  • 作業手順が現場で守られていなかった
  • リスクを事前に把握できていなかった

こうした管理上の問題を見つけて改善することが、真の再発防止につながる。

実際の労働災害事例での4M分析

具体例で見てみよう。

事例:建設現場で足場から転落しそうになった

この事故を4M分析で分解すると:

要素 原因分析 改善策
Man 作業者が安全帯を着用していなかった 安全帯着用の徹底教育
Machine 足場の固定が不十分でぐらついた 足場の点検基準を見直し
Media 作業手順書に足場点検の記載がなかった 手順書に点検項目を追加
Management 現場責任者が安全確認を省略していた 始業前の安全確認を義務化

このように、1つの事故でも複数の要因が絡み合っている。4M分析で整理することで、多角的な改善策が見えてくる。

4M分析の実践ステップ

実際に4M分析を行う手順を紹介する。

ステップ1:事実を集める

まず、事故の状況を正確に把握する。

  • いつ、どこで、誰が、何をしていたか
  • どんな状況で事故が起きたか
  • 目撃者の証言

憶測や推測は避けて、事実だけを集める。

ステップ2:4Mに分類する

集めた情報を4つの要素に振り分ける。

この段階では、「これはManかMediaか?」と迷うこともある。完璧に分類する必要はない。重要なのは、4つの視点から漏れなく考えることだ。

ステップ3:根本原因を掘り下げる

各要素について、「なぜ?」を繰り返す。

例:

  • Man: なぜ作業者は安全帯を着用しなかったのか?
    • → 面倒だと思っていた
    • → なぜ面倒だと思ったのか?
    • → 安全帯の重要性を理解していなかった(教育不足)

「なぜ?」を5回繰り返すと、根本原因に辿り着けることが多い。

ステップ4:改善策を立てる

根本原因が分かったら、具体的な改善策を検討する。

改善策は、実行可能で継続できるものにする。理想論だけでは意味がない。

4M分析を効率化するツール

正直、4M分析を手作業でやるのは大変だ。紙の報告書に書いて、ファイリングして、過去の事例を探して…。時間がかかる割に、情報が活用されないことも多い。

そこで活用したいのが、デジタルツールによる自動化だ。


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手書きの報告書を書く手間がなくなり、報告件数が増加。蓄積されたデータから、現場の傾向分析もできる。

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まとめ

4M分析は、労働災害の原因を「Man(人)、Machine(機械)、Media(作業方法・環境)、Management(管理)」の4つの視点から分析する手法だ。

この分析手法を使えば:

  • 原因の見落としを防げる
  • 本質的な原因に辿り着ける
  • 実効性のある改善策を立てられる

特に重要なのは、「人のミス」で終わらせず、背景にある管理体制や作業環境まで掘り下げること。それが真の再発防止につながる。

手作業での分析が大変なら、デジタルツールを活用してみてほしい。AI自動分析を使えば、現場の負担を減らしながら、より多くのデータを活用できる。

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