現場コンパス

協力会社との安全情報共有|現場全体の安全レベルを底上げする方法

著者: GenbaCompass

協力会社との安全情報共有|現場全体の安全レベルを底上げする方法

「協力会社からヒヤリハット報告が上がってこない…」

建設現場では、元請だけでなく、複数の協力会社が作業している。現場全体の安全を確保するには、協力会社からの情報が不可欠だ。

でも、協力会社からの報告は、なかなか上がってこない。上がってきても、フォーマットがバラバラ。情報が整理できない。

この記事では、協力会社との安全情報共有の課題と、効果的な解決策を解説する。

協力会社との情報共有の課題

課題1:報告が上がってこない

協力会社の作業員は、元請に直接報告することに抵抗がある。

理由:

  • 「自分たちのミスを報告すると、次の仕事がもらえなくなる」
  • 「元請に目をつけられたくない」
  • 「報告しても自分たちにメリットがない」

結果、危険情報が共有されないまま、同じ事故が繰り返される。

課題2:フォーマットがバラバラ

各協力会社が独自のフォーマットで報告してくる。

問題:

  • 情報の整理に時間がかかる
  • 傾向分析ができない
  • 比較ができない

元請の安全担当者が、手作業で情報を整理している。

課題3:情報のタイムラグ

協力会社からの報告は、週報や月報でまとめて上がってくることが多い。

問題:

  • リアルタイムで状況が把握できない
  • 対策が後手に回る
  • 詳細を忘れている

タイムラグがあると、情報の価値が下がる。

課題4:責任の所在が曖昧

事故やヒヤリハットが起きたとき、責任の所在が曖昧になることがある。

問題:

  • 「うちの責任ではない」と押し付け合い
  • 原因究明が進まない
  • 対策が打たれない

課題5:安全レベルの差

協力会社によって、安全に対する意識やスキルに差がある。

問題:

  • 一部の協力会社が事故リスクを高めている
  • どこに問題があるか分からない
  • 底上げの方法が見つからない

効果的な情報共有の仕組み

仕組み1:全社統一のQRコード報告

元請が用意したQRコードを、協力会社の作業員も使う。

メリット:

  • フォーマットが統一される
  • データが自動で集約される
  • 元請・協力会社の区別なく分析できる

仕組み2:匿名報告で心理的ハードルを下げる

AI匿名化機能で、「どの会社が報告したか」を隠すことができる。

効果:

  • 「次の仕事がもらえなくなる」という恐怖がなくなる
  • 正直な報告が上がってくる
  • 情報量が増える

仕組み3:リアルタイム共有

報告があった瞬間に、関係者全員に共有される。

メリット:

  • タイムラグがゼロ
  • 即座に対策を検討できる
  • 類似の危険を他の作業員にも警告できる

仕組み4:ダッシュボードでの可視化

報告データをダッシュボードで可視化し、全社で共有する。

可視化する情報:

  • 現場全体の報告件数
  • 場所別・作業別の傾向
  • 4M分析の結果
  • 対策の進捗

仕組み5:安全協議会での活用

月1回の安全協議会で、ダッシュボードのデータをもとに議論する。

議題:

  • 今月の報告の傾向
  • 重点対策の検討
  • 好事例の共有
  • 来月の注意点

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協力会社との連携のポイント

ポイント1:報告のメリットを伝える

協力会社に「なぜ報告が必要か」を理解してもらう。

伝えるべき内容:

  • 報告は「告げ口」ではなく「改善のきっかけ」
  • 報告によって現場が安全になる
  • 事故が減れば、みんなが得をする
  • 報告者を責めることはない

ポイント2:報告しやすい環境を作る

物理的・心理的に報告しやすい環境を整える。

物理的な工夫:

  • QRコードを見やすい場所に設置
  • 休憩所にもQRコードを設置
  • スマホがない人向けの代替手段

心理的な工夫:

  • 匿名報告を可能にする
  • 報告に対して感謝する
  • 報告者を特定しようとしない

ポイント3:フィードバックを必ず行う

報告があったら、必ずフィードバックする。

フィードバック方法:

  • 朝礼で「昨日の報告をもとに、〇〇を改善しました」
  • 安全協議会で対策状況を共有
  • 掲示板に報告と対策を掲示

「報告が活かされている」と実感できれば、報告は増える。

ポイント4:好事例を表彰する

ヒヤリハット報告で事故を未然に防げた事例を表彰する。

表彰の例:

  • 「今月のベストレポート賞」
  • 安全協議会での紹介
  • 小さな記念品の贈呈

報告することの価値を示す。

ポイント5:データを協力会社と共有する

報告データの分析結果を、協力会社と共有する。

共有内容:

  • 現場全体の傾向
  • 重点対策が必要な領域
  • 改善の進捗

「一緒に安全を作っている」という意識を醸成する。

安全協議会での活用方法

安全協議会の位置づけ

安全協議会は、元請と協力会社が安全について話し合う場だ。

労働安全衛生法でも、特定元方事業者には協議組織の設置が義務付けられている。

データに基づく議論

ダッシュボードを使えば、データに基づいた議論ができる。

従来の安全協議会:

  • 「最近、ヒヤリハットが多い気がする」
  • 「もっと注意しましょう」
  • 具体性に欠ける

データを使った安全協議会:

  • 「今月の報告件数は25件。先月より10件増加」
  • 「4M分析では、Machine(機械)が40%を占めている」
  • 「具体的には、足場の不具合が8件。点検を強化しよう」

協力会社別の分析

協力会社別にデータを分析し、底上げにつなげる。

ただし注意:

  • 犯人探しにならないよう配慮
  • 報告件数が多い=安全意識が高い、という評価も
  • 改善のためのデータとして活用

好事例の共有

ある協力会社の好事例を、他の協力会社にも共有する。

例:

  • 「A社では、作業前に全員でQRコード報告を確認している」
  • 「B社は、報告件数が前月比で2倍に増えた」
  • 「C社の提案で、この危険箇所が改善された」

導入事例

事例1:総合建設業A社(大規模現場)

課題:

  • 10社以上の協力会社が入っている
  • 報告フォーマットがバラバラ
  • 情報の整理に毎週2時間かかっていた

導入後:

  • 全社統一のQRコードで報告を集約
  • 情報整理の時間がゼロに
  • ダッシュボードで傾向を把握
  • 安全協議会での議論が活性化

事例2:中堅ゼネコンB社

課題:

  • 協力会社からの報告が月1〜2件しかない
  • 「報告すると仕事を干される」という噂があった

導入後:

  • AI匿名化で報告のハードルを下げた
  • 報告件数が月20件以上に増加
  • 「どの会社か分からない」という安心感が好評
  • 今まで上がってこなかった危険情報が可視化

事例3:専門工事業C社(元請の立場で)

課題:

  • 自社の下請けからの報告を集めたい
  • 紙の報告書では、分析に時間がかかる

導入後:

  • 下請け会社にもQRコード報告を展開
  • データが自動で集約・分析される
  • 下請け会社の安全意識が向上
  • 現場全体の事故リスクが低下

よくある質問

Q:協力会社の作業員も無料で使えますか?

A:はい。QRコードを読み取って報告するだけなので、協力会社の作業員にアカウントは不要です。

Q:協力会社別にデータを見分けられますか?

A:設定により、協力会社別のデータ分析が可能です。ただし、AI匿名化を有効にすると、報告者の会社名も匿名化されます。

Q:協力会社への展開の仕方は?

A:安全協議会や新規入場者教育で説明するのが一般的です。導入マニュアルや説明資料も用意しています。

Q:報告データは協力会社も見られますか?

A:権限設定により、協力会社が見られる範囲を調整できます。全体の傾向だけ共有することも可能です。

まとめ

協力会社との安全情報共有は、現場全体の安全レベルを底上げするカギだ。

情報共有の課題:

  • 報告が上がってこない
  • フォーマットがバラバラ
  • 情報のタイムラグ
  • 責任の所在が曖昧
  • 安全レベルの差

効果的な仕組み:

  • 全社統一のQRコード報告
  • 匿名報告で心理的ハードルを下げる
  • リアルタイム共有
  • ダッシュボードでの可視化
  • 安全協議会での活用

連携のポイント:

  • 報告のメリットを伝える
  • 報告しやすい環境を作る
  • フィードバックを必ず行う
  • 好事例を表彰する
  • データを協力会社と共有する

元請も協力会社も、一緒になって安全な現場を作ろう。

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