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根本原因分析の手法比較|5Why・FTA・FMEA・特性要因図の使い分け

著者: GenbaCompass10
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結論:根本原因分析で再発防止を実現する

根本原因分析(RCA)は、問題の表面的な症状ではなく本質的な原因を特定する手法だ。なぜなぜ分析は単純な問題に、特性要因図はチームでの要因洗い出しに、FTAは重大問題の深掘りに、FMEAは潜在リスクの予測に適している。複数の手法を組み合わせることで、効果的な再発防止策を立てられる。デジタルツールを活用すれば、分析の記録・共有・活用がさらに効率化できる。


「原因分析をしたけど、また同じ問題が起きた…」

問題の原因を分析しても、表面的な原因しか特定できていなければ、再発は防げない。

根本原因分析(RCA:Root Cause Analysis)とは、問題の表面的な症状ではなく、根本的な原因を特定するためのアプローチだ。

この記事では、代表的な根本原因分析の手法を比較し、それぞれの特徴と使い分けを解説する。


根本原因分析(RCA)とは

根本原因分析とは、問題の「本当の原因」を見つけるための分析手法の総称だ。

なぜ根本原因が重要か

問題が発生した時、すぐに見える原因に対策を打つことが多い。しかし、それは「表面的な原因」に過ぎないことがある。

例:機械が停止した

  • 表面的な原因:センサーが故障した
  • 根本原因:センサーの点検ルールがなかった

表面的な原因だけに対策すると、別のセンサーで同じ問題が起きる。根本原因に対策すれば、すべてのセンサーで問題を防げる。

主な分析手法

根本原因分析には、いくつかの代表的な手法がある。

手法 概要 アプローチ
なぜなぜ分析(5Why) 「なぜ?」を繰り返して原因を掘り下げる シンプル
特性要因図 要因を魚の骨形式で整理 視覚的
FTA(故障の木解析) 原因をツリー形式で展開 トップダウン
FMEA(故障モード影響解析) 故障モードとリスクを評価 ボトムアップ

なぜなぜ分析(5Why)

最もシンプルで広く使われている手法が「なぜなぜ分析」だ。

特徴

問題に対して「なぜ?」を繰り返し、根本原因に到達する。

メリット

  • 誰でも実施できる
  • 特別なツールが不要
  • 短時間で実施可能

デメリット

  • 分析者のスキルに依存
  • 複数の原因がある場合、見落としやすい
  • 「人のミス」で止まりがち

実施方法

  1. 問題を明確に定義する
  2. 「なぜ?」と問いかける
  3. 答えに対してさらに「なぜ?」
  4. 5回程度繰り返す
  5. 根本原因に対策を立てる

使用例

問題:製品に傷がついていた

  • なぜ1:搬送中に傷がついた
  • なぜ2:製品同士が接触した
  • なぜ3:仕切り板がなかった
  • なぜ4:仕切り板の設置基準がなかった
  • なぜ5:新製品の搬送ルールを決めていなかった

根本原因:新製品の搬送ルールが未整備

このような5Why分析は、紙やExcelで管理すると過去の分析結果を探しにくい。WhyTraceのようなデジタルツールを使えば、スマホで簡単に記録でき、過去の類似問題もすぐに検索できる。


特性要因図(フィッシュボーン図)

問題に影響する要因を視覚的に整理する手法。

特徴

魚の骨の形で要因を整理することから「フィッシュボーン図」とも呼ばれる。1960年代に石川馨教授が考案し、「イシカワダイヤグラム」とも呼ばれる。

メリット

  • 複数の要因を一覧できる
  • チームでのブレストに適している
  • 漏れなく要因を洗い出せる

デメリット

  • 原因の絞り込みが別途必要
  • 作成に時間がかかる
  • 根本原因の特定には追加分析が必要

6M(分類の観点)

観点 内容
Man(人) 作業者のスキル、教育、ミス
Machine(機械) 設備、治具、工具の状態
Material(材料) 原材料、部品の品質
Method(方法) 作業手順、基準、ルール
Measurement(測定) 検査方法、計測器
Mother Nature(環境) 温度、湿度、照明などの環境条件

使い方

  1. 問題(特性)を右端に記載
  2. 大骨(6M)を描く
  3. 各大骨に中骨(要因)を追加
  4. 中骨に小骨(詳細要因)を追加
  5. 真因と思われる要因に印をつける

特性要因図で要因を洗い出した後、安全ポスト+を使えば、AIが自動で4M分析(Man・Machine・Material・Method)を行い、対策立案を支援してくれる。


FTA(故障の木解析)

問題の原因をツリー形式で展開するトップダウン型の手法。

特徴

重大な故障(トップ事象)を頂点に置き、その原因を論理的に掘り下げる。

メリット

  • 複雑な因果関係を可視化できる
  • AND/OR論理で原因を構造化できる
  • 既知の不具合の分析に効果的

デメリット

  • 作成に専門知識が必要
  • 複雑になりやすい
  • 未知の故障モードは分析しにくい

使用場面

  • 事故・災害の原因分析
  • 重大なクレームの分析
  • システム障害の分析

論理記号

記号 意味 説明
AND かつ すべての条件が揃った時に発生
OR または いずれかの条件で発生

FMEA(故障モード影響解析)

潜在的な故障モードを洗い出し、リスクを評価するボトムアップ型の手法。

特徴

個々の部品や工程に着目し、起こりうる故障を予測して未然に防止する。

メリット

  • 未知の不具合を予測できる
  • リスクの優先順位をつけられる
  • 設計段階での品質向上に有効

デメリット

  • 作成に時間がかかる
  • 専門知識が必要
  • 定期的な見直しが必要

リスク評価(RPN)

FMEAでは、以下の3つの観点でリスクを評価する。

観点 評価内容 スコア
影響度(S) 故障が起きた時の影響の大きさ 1〜10
発生頻度(O) 故障が起きる可能性 1〜10
検出難易度(D) 故障を検出できる可能性 1〜10

RPN(Risk Priority Number) = S × O × D

RPNが高いほど、優先的に対策すべきリスク。

設備の故障リスクを事前に予測したい場合、PlantEarのような異音検知AIを活用すれば、通常とは異なる音を早期に検知して予兆保全ができる。


手法の使い分け

どの手法を使うべきかは、状況によって異なる。

使い分けの目安

状況 推奨手法
単純な問題を素早く分析したい なぜなぜ分析
チームで要因を洗い出したい 特性要因図
既知の重大問題を深く分析したい FTA
潜在的なリスクを予測したい FMEA

組み合わせて使う

実際には、複数の手法を組み合わせて使うことが効果的だ。

  1. 特性要因図で要因を洗い出す
  2. なぜなぜ分析で根本原因を特定
  3. FMEAでリスク評価と対策優先順位づけ

安全管理の分野では、AnzenAIを使えば、KY活動の記録から安全書類の作成までを効率化でき、分析結果をすぐに現場の安全対策に活かせる。


📱 根本原因分析をスマホで効率化

「WhyTrace」は、5Why分析をスマホで簡単に記録・管理できるアプリ。

ステップに沿って「なぜ」を入力するだけで、論理的な原因分析ができる。過去の分析結果も検索できるので、類似問題の対策にも活用できる。

紙のフォーマットより効率的に、チームで根本原因分析を実践できる。

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まとめ

根本原因分析(RCA)は、問題の表面ではなく本当の原因を特定する手法だ。

代表的な手法

手法 特徴 適した場面
なぜなぜ分析 シンプル、誰でも実施可能 素早い原因特定
特性要因図 要因の可視化、チーム作業向き 要因の洗い出し
FTA トップダウン、論理的展開 重大問題の深掘り
FMEA ボトムアップ、リスク評価 潜在リスクの予測

使い分けのポイント

  • 単純な問題 → なぜなぜ分析
  • 複雑な問題 → 複数手法の組み合わせ
  • 予防 → FMEA
  • 事後分析 → FTA

どの手法を使うにしても、「人のミス」で止まらず、仕組みの問題まで掘り下げることが重要だ。


よくある質問(FAQ)

Q1. 根本原因分析は1つの手法だけで十分ですか?

いいえ、複数の手法を組み合わせることで、より効果的な分析ができます。例えば、特性要因図で要因を洗い出し、なぜなぜ分析で根本原因を特定し、FMEAでリスク評価を行うといった流れが推奨されます。

Q2. なぜなぜ分析は必ず5回質問しないといけませんか?

いいえ、「5回」は目安です。根本原因に到達するまでの回数は問題によって異なります。重要なのは、「人のミス」で止まらず、仕組みの問題まで掘り下げることです。

Q3. 特性要因図の6Mは必ず全て使う必要がありますか?

いいえ、問題の性質によって関連する観点だけを使えば十分です。ただし、漏れを防ぐために6Mの枠組みを一通りチェックすることは有効です。

Q4. FTAとFMEAの違いは何ですか?

FTAはトップダウン型で既知の問題の原因を深掘りする手法、FMEAはボトムアップ型で未知の潜在リスクを予測する手法です。事後分析にはFTA、予防にはFMEAが適しています。

Q5. デジタルツールを使うメリットは何ですか?

紙やExcelと比べて、記録の効率化、過去事例の検索、チームでの共有がスムーズになります。また、AI機能を活用すれば、分析の質も向上させられます。


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國分 良太

著者

國分 良太

制御設計エンジニア → AI・IoT・DX推進|東京の製造業メーカー開発部門

製造業の現場で設備設計・改善プロジェクト・品質向上施策に従事。なぜなぜ分析(RCA)やリスクアセスメントの実務経験をもとに、現場DXを支援するアプリケーションの開発と情報発信に取り組んでいます。

※ 本サイトは所属企業とは関係のない個人活動です。記載の見解は筆者個人のものです。